グレーゾーン金利撤廃の現状と展望part3(2006年9月記事作成11月加筆)

貸金業法改正法案

注意:下記内容の一部はその後に状況が変わっています。コラム作成時の情報ですので注意してください。

ついに改正法の内容が見えてきた。金融庁が提出した案を検討してみよう。

まず気になる上限金利だが、報道をみると改正案では20%とされているようだ。この内容は予想されていたので意外ではない。一連の報道では20%を下回った場合に大手消費者金融に大規模再編の可能性があるとされており、業界に対しての配慮も考えるとここらへんが現実的な線であろう。しかし問題は金利ではなく施行のタイミングと特別措置と呼ばれる対応にある。

法施行は法改定後の1年後に行われる。しかしこの瞬間に20%以上の金利が違法となるわけではなく、施行後3年間は任意の支払いである事を認めた書類などを整える条件で現在の29.2%の上限金利を認める特別措置が盛り込まれる予定だ。

借り手としては借金がある身で書類のサインを断れるわけも無く、実際には現在借りている人々は4年先まで29.2%の最高金利で高利率での借り入れが続く事になるだろう。多くのローンが3年返済を目処に返済金を設定している為、現在の借り入れに関しては支払いが終わる計算になる。

新規借り入れに関しても改定後1年までは現在の上限金利で貸し出しが行われ、その後は3年間支払いをすることになる。つまり3年で支払いの終わる設定であれば金融会社にとっての損は無い。

とはいえこれ以上の規制は貸金業者をつぶす事になるという意見も多いため、議論は必要であろう。特に中小企業にとっては20%の金利でも倒産するところが相次ぐというのが業界の予想だ。

業界に対しての配慮とされている案がもう一つある。小額・短期返済の条件で28%金利を認める特別金利を3年間の特別制度終了後に予定されている。対象となる貸し出しは50万円までの借り入れで1年以内の返済が条件となっている。

結局何も変わらない!というのが規制派の意見だ。今秋の国会で法改正となっても1年間は変わらずに高金利での貸付を行える。 さらに施行後3年は高金利のまま支払いを受け取れる。多重債務者救済を目的とした法改正は成功しないのだろうか?

改正案では貸付総額も規制(総量規制)を考えていて、年収の1/3までの貸し出しとなっている。この数字は20%の金利で返済できる金額として妥当であると管理人は考えている。年収450万円の会社員ならば150万円までの借り入れとなる。150万円の借り入れで月の返済金額は8万円程度となるが、ここらへんがサラリーマンの返済できるギリギリのラインだろう。

法改定(2006年秋)
↓1年
施行・特別制度開始
↓3年
特別制度終了・28%金利の特例スタート
↓最大5年 28%特例見直し

法改正案ポイント

  • 金利上限を利息制限法内(15-20%)に引き下げ
  • 利息制限法を超えた利息分は支払い義務が無い事を契約書に明記する書類がある貸し出しに関しては施行後3年間継続可能
  • 特例の小額融資は50万または30万円までの貸し出しを2社程度可能
  • 特例は最大5年で見直し
  • 1人あたりの総貸付額は年収の1/3まで

改正案考察

さて改正案の考察だが、前述のように現在借り入れがある人に対しては4年間何も変わらない。変わるとすれば金利を任意で支払っているという書類だけだろうか。ちなみにこの書類にサイン・捺印したとすると、将来に任意整理をしようとした時は大変不利となるはずである。

任意整理では業者の書類不備などを理由に、みなし返済の条件に当てはまっていないとして利息制限法内金利での計算を行う。もしも書類がしっかりと整っていれば任意整理が難しくなるのだ。実際に報道されている意見でも、同じ点を指摘している事が多い。

さらに規制派が厳しく反対しているのが年利28%を認める特例金利だ。この設定に関して消費者金融業界よりだと反対の声が多く、政務官辞任にまで発展した。

上限金利引き下げ反対の意見

上限金利引き下げに反対しているのは主に消費者金融業者なわけだが、いったいどのような理由で反対を行っているのだろうか。
主な理由は2つあり、闇金融問題と経済の問題となっている。

  1. 闇金融への懸念
    今回の法改正で多重債務者は法執行後1年で新規の借り入れが困難になる。借りれられなくなる人というのはリスクの高い人ばかりな為、そういった方が闇金融に流れる事を懸念している。 早稲田大学消費者金融サービス研究所の報告では上限金利が23%になるとすると現在の利用者の43%が借り入れ不可能になると発表している。これらの方のうち、どうしても借り入れが必要な人は闇金融への道を探すかもしれない。
  2. 経済への影響懸念
    顧客が減るということはそのまま消費者金融業者が減るという事につながる。上限金利見直しにより金融業界の再編が進むだろう。日本の消費者金融業界は外国からの優良投資先として人気があった。この業界が落ち込む事により日本経済への悪影響が経済各誌で報告されている。

管理人の感想であるが、多重債務に陥っている人というのは相当に支出が破綻しているので、7件まで借りれた人が4件までとなっても状況は変わらないと思う。多重債務状態から復活できる人というのはごくまれである事を忘れてはならない。実際のところ闇金融問題と上限金利を同じにして語るのは好きではない。

特別措置の撤廃(2006年11月加筆)

上記に書いてある特別措置法だが、2006年10月31日の閣議決定段階で見送られる事となった。やはり業界よりとの批判が強かったせいだろう。

今後の流れとしては国会での法案可決後、3年で試行が行われ20%程度の上限金利に統一される事になる。消費者金融大手の武富士などは既に法改正後にむけた動きを開始している。具体的には無人店舗100施設を統廃合し、収益モデルの変更を行っている。

今後予想されるのは法改正後に消費者金融金利が見なおされる事だ、試行は3年後だがいずれ過払い返還請求されるのであれば早めに引き下げる可能性が高い。

国会での法案成立を見守っていこう。

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